健康機能食品制度における変更点

健康機能食品制度における変更点

最終更新日 2024年11月21日 by byersp

保健機能食品制度においては、従来から特定健康用食品(いわゆるトクホ)と栄養機能食品の二つが存在しており、2015年の4月からは新たに、機能性表示食品の制度が始まりました。

したがって、現在では保健機能食品といえば、特定健康用食品・栄養機能食品・機能性表示食品の三つが存在することになり、また医薬品に該当するものは含まれません。

では、なぜ最近になって新たな制度が導入されたのかを、従来から存在する制度の内容や問題点、導入における背景を押さえながら見ていきましょう。

 

まず、この中で一番馴染みがあるものといえば特定健康用食品であり、トクホの愛称で認知されていて、また人が背伸びをしているようなトクホのマークを目にした人も多いでしょう。

[PDF]特定保健用食品 – 消費者庁

そして、従来から存在するものとしてもうひとつ挙げられるのが栄養機能食品であり、これはサプリメントやシリアルなどに多く当てはまります。

これらは国民の健康を維持・あるいは増進させるために役立っており、消費者が商品を選ぶ際に参考にするものです。

しかし、特定健康用食品や栄養機能食品にはいくつかの問題点があります。

たとえば、特定健康用食品として認定されるためには、国から認められるために莫大な費用と長い年月がかかることや、両方とも表示できる説明などに制限があることで、消費者に十分な情報を伝えられないことなどが挙げられます。

これでは、技術やノウハウがあっても特定健康用食品を販売するチャンスを逃してしまうし、たとえ健康の増進に効果があっても、それが十分に伝わらないことで実際の健康の増進に繋がらないなど、様々な弊害の原因となりました。

また、この問題点が議論され始めた頃に、世の中では高齢化社会によって医療費の増大も問題となり始めました。

そこで、自分の健康は自分で守るとの考えのもと、特定健康用食品や栄養機能食品、医療費の増大などの問題点を解消すべく、機能性表示食品の制度が施行されました。

※参考サイト:http://kinousei-hyouji.net/

 

機能性表示食品のメリットとしては、国の許可が要らず、当該商品が健康の増進などに役立つことの科学的根拠が記載された論文などを、消費者庁へ提出するだけで健康への効用を表示できる点です。

また、従来のものと異なり、体のどの部分にどのような効果があるのかなど、具体的に表示することが出来るので、幅広い商品に適用することができます。

したがって、特定健康用食品よりも手軽に導入することができ、かつ栄養機能食品などよりも具体的に表示することができるので、消費者もより分かりやすい情報を得ることが可能になります。

ただし、導入されたばかりということもあり、問題点も存在します。

特定健康用食品よりも審査のハードルが低く、多くは企業の判断に委ねられているので、完全に信頼できるものとは言えません。

また、似たような食品が増えてくるので、逆に情報量が多くなりすぎることも懸念されています。

とはいえ、健康を維持・増進させるための一歩といえるので、今後の改善により、もっと信頼できる食品が増えていくことが期待されています。